語彙や文法をどれだけ積み上げても、Schreiben(書き取り)やSprechen(話し方)のような明確な「型」が見えにくいのが、Lesen(読解)とHören(聴解)の難しいところです。本番に向けて、「どこまでやれば確実に合格点に届くのか」という、ゴールの見えないトンネルの中にいるような不安を抱えている方も少なくないはずです。
その不安を解消し、進むべき方向をクリアにするための確実な灯りとなるのが、試験の「採点基準」を正しく把握することです。
試験で何が求められ、どこが評価のポイントになるのか。その客観的な基準を知るだけで、問題へのアプローチの仕方は劇的に変わります。
本記事では、ゲーテ試験A2のLesen・Hörenにおいて、迷わず確実に合格ライン(60点)を超えるための実践的なロードマップを解説します。
ゲーテA2試験の「配点」と合格ラインの仕組み
ゲーテA2の筆記試験(Lesen・Hören・Schreiben)は、各25点、計75点満点のうち「45点以上」で合格となります。
ここで知っておくべきなのが、LesenとHörenの換算方法です。
- 実際の問題数: 各20問(1問=1点)
- 成績表の点数: 20点 × 1.25倍 = 25点満点
目安として、それぞれ12問以上(15点分)正解できれば手堅いです。
また、A2の筆記は3つのモジュールの「合計点」で合否が決まります。個別の足切りはないため、たとえばLesenが苦手で10点しか取れなくても、得意なSchreibenで20点を取ってカバーすれば合格可能です。

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完璧を求める必要はありません。3つの総合力で45点を超える戦略を立てましょう。
Lesen(読解)対策:各Teilの構造と配点
Lesenは制限時間30分、全20問(各Teil 5問)の構成です。それぞれの特徴と配点のバランスは以下の通りです。
| セクション | 出題形式 | 問題数 | 配点 (1.25倍換算) |
| Teil 1 | 短い告知や案内文を読み、3択問題に答える | 5問 | 6.25点 |
| Teil 2 | Webサイトの画面やカタログから、目的に合う情報を探す(マッチング) | 5問 | 6.25点 |
| Teil 3 | 知人からのメールや手紙を読み、3択問題に答える | 5問 | 6.25点 |
| Teil 4 | 5人の人物の意見(インタビュー等)と、告知文をマッチングさせる | 5問 | 6.25点 |
得点戦略のポイント
- Teil 1・3(3択問題): 15〜20行程度のテキストを読みます。事実関係の正確な読み取りが求められます。
- Teil 2・4(マッチング): 情報の検索能力が試されるため、比較的スピードを上げやすいパートです。特にTeil 2は「Aさんの希望に合うのは、選択肢ア〜エのどれか」という明確なパズルなので、取りこぼしを防ぎたいセクションです。
合計20問のうち、トータルで12問(15点分)を確実に拾っていくために、自分に得意なタイプの設問は満点を目指す気持ちで臨むと、気持ちに余裕が生まれます。
Hören(聴解)対策:各Teilの構造と「流れる回数」
Hörenは制限時間約25分、全20問(各Teil 5問)の構成です。 Hörenの最大のポイントは、「Teilによって音声が流れる回数が異なる」という点です。ここを把握していないと、本番でペースを乱される原因になります。
| セクション | 出題形式 | 流れる回数 | 問題数 | 配点 (1.25倍換算) |
| Teil 1 | 日常の短い会話やアナウンス(3択問題) | 2回 | 5問 | 6.25点 |
| Teil 2 | ラジオのニュースや番組等の長いアナウンス(5つの写真/イラストとのマッチング) | 1回のみ | 5問 | 6.25点 |
| Teil 3 | 知人同士の日常的な会話(3択問題) | 2回 | 5問 | 6.25点 |
| Teil 4 | インタビューや討論(正しいか間違っているかの2択:Richtig / Falsch) | 2回 | 5問 | 6.25点 |
得点戦略のポイント
- 要注意のTeil 2(1回のみ): ここだけは音声が1回しか流れません。聞き逃すとリカバリーが難しいため、音声が始まる前の短い時間(説明が流れている間)に、選択肢の写真やイラストの特徴を素早く頭に入れておく必要があります。
- 2回流れるTeil 1, 3, 4: 1回目で大まかな正解の目星をつけ、2回目で確証を得る(または引っ掛けに気づく)という2段構えのアプローチが可能です。1回目で分からなくても焦る必要はありません。
Lesenと同様、全20問の中でトータル12問(15点分)を確実にクリアしていくことが、合計45点(筆記合格ライン)を超えるための堅実なステップとなります。
本番で焦らないための「マークシート」対策
LesenとHörenの解答は、すべて専用の解答用紙(Antwortbogen)に記入します。ここで絶対に知っておくべき「中のルール」が2つあります。
1. 間違えたときの「公式な修正方法」
ゲーテ試験は黒または青のボールペンでの記入が必須で、修正テープや消せるボールペンは使用禁止です。
もしマークを間違えた場合は、以下の手順で修正するのが世界共通の公式ルールです。
- 間違えたマス(すでに✖をつけた四角いマス)を、ペンで完全に黒く(または青く)塗りつぶす。
- 新しく正解にしたい別のマスに、改めて✖をつける。
焦ってグチャグチャに消そうとすると機械や採点官が判別できなくなるため、「間違えたマスは綺麗に四角く塗りつぶす」と覚えておきましょう。
2. マークの「ズレ」を防ぐ解き方
特にHörenは、音声を聞きながら焦ってマークしていくと、1行ずれて大惨事になるケースがよくあります。
おすすめは、問題冊子(Aufgabenheft)の方にまず大きく自分の答えをメモしておき、各Teilが終わるごとの短い空き時間や、最後にまとめて解答用紙に一気に転記する方法です。
問題用紙にメモした番号と、解答用紙の「問題番号」を必ず指差し確認しながら1問ずつマークしていくことで、不注意によるマークミスは完全に防げます。
PC受験の注意点はこちらの記事でご確認ください。
まとめ
ゲーテ試験A2のLesen・Hörenは、ただ闇雲に過去問を解くだけでは「点数が安定しない」「時間が足りない」という不安がつきまといます。
しかし、今回解説した以下の構造を頭に入れておけば、本番の臨み方は大きく変わるはずです。
- 筆記は3モジュール(Lesen/Hören/Schreiben)の合計で45点以上取れば合格(個別の足切りはなし)
- Lesen・Hörenはどちらも全20問。1.25倍換算されるため、まずは各12問ずつの正解(15点分)を目指す
- HörenのTeil 2だけは「音声が1回しか流れない」ため、事前の準備が勝負を分ける
正解の型が見えにくいインプット科目だからこそ、こうした「配点と構造」という確かな基準を武器にしてください。
次回は、より具体的な「型」が存在し、点数の貯金を作りやすいSchreiben(書き取り)とSprechen(話し方)の評価ポイントについて解説します。



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