こんにちは!
今回のテーマ、関係代名詞、これです。
Da ist ein Hund, der bellt.
そこに吠えている犬がいる。
- 先行する名詞(ここではder Hund 男性)と、
- 後半に続く副文の格(ここではbellenの動詞なので、犬は1格)
によって、なんの関係代名詞が使われるのかが決まります。
このように関係代名詞は、いくつかの「決まったステップ」さえ守れば、実はパズルのように簡単に組み立てることができます。
この記事では、
関係代名詞の基本の仕組みから、格変化表の見方、を例文を使って噛み砕いて説明していきます。
そして最後は練習問題にチャレンジしてみてくださいね。
1. 関係代名詞ってなに?なぜ使うの?
一言でいうと、関係代名詞とは「2つの文章を1つにスッキリまとめるための接着剤」です。
たとえば、ここに2つの文章があるとします。
- 私には友人がいる。 (Ich habe einen Freund.)
- 彼は料理が上手だ。 (Er kocht gut.)
このままでも意味は通じますが、日本語でも「私には料理が上手な友人がいる」と1つの文にまとめた方がスマートですよね。ドイツ語も全く同じです。
関係代名詞を使って1つにまとめると、こうなります。
- Ich habe einen Freund, der gut kocht. (私には料理が上手な友人がいる。)
文章の後ろ半分(, der gut kocht)が、前の「友人(Freund)」を詳しく説明する関係文になっています。

2. 関係代名詞の「格変化表」
接着剤として使う「関係代名詞」は、説明したい名詞(専門用語で先行詞と言います)の「性別・数」と、関係文の中での「格(1〜4格)」によって形が変わります。
まずは、この表をしっかり頭に入れましょう!
| 格(ケース) | 男性名詞 (m) | 女性名詞 (f) | 中性名詞 (n) | 複数 (pl) |
|---|---|---|---|---|
| 1格 (〜は) | der | die | das | die |
| 2格 (〜の) | dessen | deren | dessen | deren |
| 3格 (〜に) | dem | der | dem | denen |
| 4格 (〜を) | den | die | das | die |
*(※よく見ると、定冠詞(der/die/das)とほとんど同じですが、2格(dessen/deren)と3格複数(denen)*だけ形が特殊なので注意してください!)
3. 関係文を作るための3ステップ
実際に2つの文章を関係文として統合する際は、以下の手順を順に踏むことで、機械的に正しい文章を作ることができます。
- 文①: Die Frau ist Lehrerin. (その女性は教師です。)
- 文②: Sie spricht drei Sprachen. (彼女は3ヶ国語を話します。)
【ステップ1】共通する名詞の「性別」と「数」を確認
2つの文で重複している要素は Die Frau と Sie です。 修飾対象となる Die Frau は「女性名詞・単数」です。これにより、格変化表の「女性」の列を使用することが確定します。
【ステップ2】関係文における「格」の特定
統合する後ろの文章(文②)において、その名詞がどのような文法的役割を果たしているかを検証します。 今回は Sie(彼女は=主語・1格)として機能しています。 「女性」×「1格」= die が導き出されます。
【ステップ3】コンマの設置と、動詞の「文末後置」
ドイツ語の関係文は「副文」として扱われるため、定動詞(変化している動詞)を必ず文章の最後尾に配置するという鉄則があります。 先行詞の直後にコンマ(,)を打ち、関係代名詞から始まる文章を挿入します。
- 完成文: Die Frau, die drei Sprachen spricht, ist Lehrerin.
コンマで挟まれるドイツ語の関係分って少し日本語のカッコ()に似ていますよね!
・その女性(3ヶ国語話す)は先生です。
4. 助動詞や複合的な語順の注意点
文章に助動詞が含まれる場合、語順のルールがより複雑になります。
- 文①: Ich bringe das Auto in die Werkstatt.(私はその車を修理工場に持っていく。)
- 文②: Ich muss das Auto verkaufen.(私はその車を売らなければならない。)
- 共通する名詞は
das Auto(中性・単数)です。 - 文②において、その車は「〜を(4格・目的語)」の役割を担っているため、中性4格の
dasを選択します。 - 助動詞(muss)がある関係文では、助動詞が最も後ろ(文末)に位置します(
... verkaufen muss)。 - 修飾対象である
das Autoの直後に関係文を割り込ませるため、文①の残りの要素(in die Werkstatt)は関係文の後に配置されます。
完成文: Ich bringe das Auto, das ich verkaufen muss, in die Werkstatt.
5. ミニ練習
ここからは、実際に2つの文を関係代名詞で1つにまとめる練習をしてみましょう!
第1問
次の2つの文を、関係代名詞を使って1つの文にまとめてみましょう。
- 文①: Der Lehrer kommt heute nicht. (その先生は今日来ない。)
- 文②: Er ist krank. (彼は病気だ。)
- 正解: Der Lehrer, der krank ist, kommt heute nicht.
- 解説: 先行詞は
Der Lehrer(男性・単数)。文②において主語(1格)の役割を果たしているため、男性1格のderを用います。動詞istが関係文の末尾に配置されている点を確認してください。
第2問
次の2つの文を、関係代名詞を使って1つの文にまとめてみましょう。
- 文①: Das Kind weint. (その子供が泣いている。)
- 文②: Die Mutter sucht das Kind. (母親がその子供を探している。)
- 正解: Das Kind, das die Mutter sucht, weint.
- 解説: 先行詞は
Das Kind(中性・単数)。文②において「子供を(4格・目的語)」の扱いとなるため、中性4格のdasを選びます。動詞suchtを文末に送り、先行詞の直後に配置します
第3問
次の2つの文を、関係代名詞を使って1つの文にまとめてみましょう。
- 文①: Der Mann ist mein Onkel. (その男性は私の叔父です。)
- 文②: Ich habe dem Mann geholfen. (私はその男性を助けた。)
- 正解: Der Mann, dem ich geholfen habe, ist mein Onkel.
- 解説: 先行詞は
der Mann(男性・単数)。文②の動詞helfenは3格支配(〜に助けを差し伸べる)であるため、男性3格のdemを適用します。現在完了形のため、助動詞habeが一番後ろに位置します。
まとめ
ドイツ語の関係代名詞を正確に組み立てるポイントは、「先行詞の性・数」と「関係文内での格の役割」を論理的に一致させることにあります。
この構造が理解できれば、複雑な長文の読解や、自らの思考を詳細に説明する発信力が飛躍的に向上します。
次回は、難易度の上がる「前置詞を伴う関係文」と、場所の修飾に用いられる「関係副詞 wo」のメカニズムについて解説します。


