発展編:表現が一気に広がる!ドイツ語「zu不定詞」の応用と語順のルール

zu 不定詞

基本編では、

  • zu不定詞の3大パターン(動詞・名詞・形容詞)
  • 「zuは動詞の直前に置いて塊の最後に持ってくる」という大原則を学びました。

ここからは、初級から一歩抜け出すために必須の「代名詞・特殊構文」と、「再帰動詞や前置詞が絡んだときの応用語順」をすっきり整理していきましょう!

1. 代名詞とくっつくzu不定詞(etwas, viel, nichts)

日常会話で非常によく使う表現です。

名詞の代わりに不定代名詞(何か、たくさんのこと、何も〜ない)とセットで使います。
形はすべて 「etwas / viel / nichts + [補語] + zu + 動詞の原形」 の語順になります。

etwas + zu … (何か〜するもの)
Ich suche etwas zu essen.(何か食べるものを探しています。)

viel + zu … (たくさん〜することがある)
Heute habe ich viel zu tun.(今日はやることがたくさんあります。)

nichts + zu … (何も〜することがない)
Es gibt hier nichts zu sehen.(ここには見るべきものは何もありません。)

2. セットで覚える3つの特殊パターン(um zu, ohne zu, statt zu)

zuの塊の先頭に特定の言葉をプラスして、文全体に「目的」や「条件」の意味を付け足す重要フレーズです。

① um … zu 〜 (〜するために)【目的】
Ich lerne Deutsch, um in Deutschland zu arbeiten.
(ドイツで働くためにドイツ語を勉強しています。)
um をコンマの直後に置き、一番最後に zu + 動詞 を配置します。

② ohne … zu 〜 (〜せずに)
Er ist gegangen, ohne Tschüss zu sagen.
(彼はバイバイと言わずに去っていった。)

③ statt … zu 〜 (〜する代わりに)【代替】
Statt Fernsehen zu gucken, liest er ein Buch.
(テレビを見る代わりに、彼は本を読んでいる。)

3. 再帰動詞・前置詞・過去形が絡むときの配置ルール

「他の文法と混ざると並び順が分からない」というパニックを防ぐための、塊の中の優先順位(定位置)です。
主節が過去形になろうが、中に何が入ろうが、「zu + 動詞」が一番最後という大原則は変わりません。

ルールA:再帰代名詞(michなど)は「塊の先頭(コンマの直後)」
Ich versuche, mich auf die Arbeit zu konzentrieren.(仕事に集中しようとしています。)

ルールB:前置詞セットは「zu + 動詞の直前」
Du brauchst dich nicht vor dem Hund zu fürchten.(その犬を怖がる必要はないよ。)

ルールC:メインの文が過去形になっても、塊の中の語順と時制は影響を受けない
メインの文が過去形(Es war…)や現在完了形(Ich habe…)になっても、コンマの中のzu不定詞は影響を受けず、現在形(動詞の原形)のままです。
Es war schwierig, das Auto zu verkaufen.(その車を売ることは難しかった。)
Ich habe mich gefreut, dich zu sehen.(あなたに会えて嬉しかったです。)

ルールD:先に起きた過去のことを言うときは「過去分詞 + zu haben / zu sein」
メインの文よりもさらに前に「すでに完了したこと」を zu不定詞 で表す場合は、動詞の原形ではなく完了形の形にします。
Das ist gut, das gemacht zu haben. (それを[すでに]したことは良かった。)

ミニ練習(全5問)

学んだ「発展ルール」を意識して、[ ] 内の単語を正しい順番に並び替えて文を完成させてみましょう。

  1. Ich habe vergessen, [ zu / antworten / ihm ].
    (彼に返事をするのを忘れてしまいました。)
  2. Ich versuche, [ auf die Arbeit / zu / konzentrieren / mich ].
    (仕事に集中しようとしています。)
  3. Er ist gegangen, [ zu / ohne / sagen / Tschüss ].
    (彼はバイバイと言わずに去っていった。)
  4. Ich lerne Deutsch, [ in Deutschland / zu / um / arbeiten ].
    (ドイツで働くためにドイツ語を勉強しています。)
  5. Es war schwierig, [ das Auto / verkaufen / zu ].
    (その車を売ることは難しかった。)

🔑 解答と解説

  1. ihm zu antworten
    解説: 3格目的語(ihm)を先に置き、zu + 動詞(zu antworten)を最後に置きます。
  2. mich auf die Arbeit zu konzentrieren
    解説: ルールA・Bの組み合わせです。再帰代名詞(mich)を塊の先頭に、前置詞句(auf die Arbeit)をその後に置き、最後に zu konzentrieren を配置します。
  3. ohne Tschüss zu sagen
    解説: ohne ... zu の形です。先頭に ohne、次に目的語(Tschüss)、最後に zu sagen を置きます。
  4. um in Deutschland zu arbeiten
    解説: um ... zu の形です。先頭に um、次に場所(in Deutschland)、最後に zu arbeiten を置きます。
  5. das Auto zu verkaufen
    解説: 前半が過去形(Es war…)になっても、zu不定詞の塊(対象 ➔ zu 動詞)のルールは全く変わりません。目的語(das Auto)を先に置き、文末に zu verkaufen を置きます。

まとめ

発展編で学んだ重要なルールは以下の4点です。これらが組み合わさっても、基本の「zu + 動詞の原形が一番最後」という大原則は変わりません。

  • ルールA(再帰動詞): 再帰代名詞(michなど)は「塊の先頭(コンマの直後)」に置く。
  • ルールB(前置詞): 前置詞のセットは「zu + 動詞の直前」に滑り込ませる。
  • ルールC(過去形): メインの文が過去の文章になっても、zu不定詞の動詞は現在形(動詞の原形)のまま。
  • ルールD(完了形): メインの文よりも「前に起きた過去のこと」を言うときだけは、例外的に完了形(過去分詞 + zu haben / zu sein)の形にする。

基本編のシンプルな形に加えて、これらの応用パターンを頭の中で整理しておくことで、より複雑な内容も正しい語順でスムーズに組み立てられるようになります。

実践で反復したい方はこちらの【とにかく反復シリーズ:zu不定詞編】で、実践的な応用問題に挑戦してみてください!