ドイツ語の動詞には、
sich freuen auf…(〜を楽しみにする)
のように、特定の前置詞とセットで動くものが多くあります。
💡 ちょっと待って!「sich」って何だっけ?
この熟語に出てくる sich は「再帰代名詞」と呼ばれるものです。「自分自身を〜させる」というニュアンスがありますが、まずはセットで覚えてしまいましょう。詳しい使い方はこちらの記事で解説しています。
👉 [再帰動詞]
会話の中で、この前置詞の後ろに続く内容を省略して「何を?」「それに!」と言い換えたいときに使うのが、【 da / wo + 前置詞 】という形です。
使う形は、動詞とセットになっている前置詞によって決まります。
セットがまだ曖昧だという方は、まずは「動詞とセットで覚える!「前置詞熟語」ランキングTOP10」
確認してみてくださいね。
今回はこの記事の中で紹介している、動詞+前置詞セットを使って説明していきます!
組み立て方
動詞とセットになっている前置詞の前に、以下の文字を置きます。
da + 前置詞 = 「それを」「それに」「そのことについて」など、前に出た内容を指し示す
wo + 前置詞 = 「何を?」「何に?」「何について?」など、内容を質問する
※この場合、woの元々の意味であるどこ?という意味は完全に消えます。woと前置詞でその場でドッキング疑問詞を作成する感覚です。
⚠️ 母音ルール
auf や über のように母音(a, e, i, o, u)から始まる前置詞のときは、間に r を挟んで darauf / worauf とします。
基本の3つの具体例
1. sich freuen auf…
前置詞が auf(母音始まり)なので、r を挟んで darauf / worauf になります。
A: Ich freue mich auf die Sommerferien.(夏休みが楽しみです。)
B: Worauf freust du dich?(何を楽しみにしているのですか?)
A: Ich freue mich darauf.(それを楽しみにしています。)
2. sich interessieren für…
前置詞が für(子音始まり)なので、そのまま結合して dafür / wofür になります。
A: Ich interessiere mich für deutsche Kultur.(ドイツの文化に興味があります。)
B: Wofür interessierst du dich?(何に興味があるのですか?)
A: Ich interessiere mich dafür.(それに興味があります。)
3. sich ärgern über…
前置詞が über(母音始まり)なので、r を挟んで darüber / worüber になります。
A: Ich ärgere mich über den Stau.(渋滞に怒っています。)
B: Worüber ärgerst du dich?(何に怒っているのですか?)
A: Ich ärgere mich darüber.(それに怒っています。)
注意点:人に対しては使えない
この仕組みは「物や事柄」にしか使えません。対象が「人」のときは変形不可です。
物のとき: Worauf freust du dich?(何を楽しみにしているの?)➡ OK
人のとき: ❌ Worauf freust du dich?
人のとき: ⭕ Auf wen freust du dich?(誰を楽しみにしているの?)
この「wen」は「wenn(もし〜なら)」とは違います。「誰?」という意味の「wer」の4格(〜を)の形です。
ドイツ語の「wer(誰)」や「welcher(どの)」といった疑問詞は、名詞と同じように格変化します。今回は4格の対象なので「wen」になっているんですね!詳しくはドイツ語の疑問詞についての記事をご覧ください!
人のとき: ⭕ Ich freue mich auf ihn.(彼を楽しみにしているんだよ。)
人に対して言う場合は、ドッキングさせず通常の前置詞+代名詞(疑問詞)の形を維持してください。
ミニ練習
「何を?」「それを!」という教科書的な直訳だと不自然ですが、実際の会話ではこのように大活躍します。空欄に当てはまる言葉を考えてみましょう!
Q1. 相手の言葉に「あぁ、それについて考えてた!」と相槌を打つ
A: Wir müssen noch über den Urlaub sprechen.(休暇のことについて話さなきゃね)
B: Ich denke auch ________.(ちょうど、それについて考えてたところ!)
Q2. 「何に興味があるの?」とざっくり質問する
A: _________ interessierst du dich?((趣味とか)何に興味があるの?)
B: Ich interessiere mich ________ Fotografie.(写真に興味があるんだ)
Q3. 「誰を待っているの?」
A: _________ wartest du?(誰を待っているの?)
B: Ich warte ________meine Freundin.(彼女を待っているんだ)
💡 解答
【Q1の答え】
B: Ich denke gerade daran.
相手が出した「Urlaub(休暇)」を指して、「そのことについて(an + da)」と考えます。`an` は母音始まりなので `r` を挟んで `daran` になります。
ちなみにAにも”sprechen über”が隠れていますね。
【Q2の答え】
A: Wofür interessierst du dich?
B: für
「何に興味があるの?」と物事について質問するので、`wo + für` が合体して `Wofür` になります。
【Q3の答え】
A: Auf wen wartest du?
B: auf
待っている対象が「彼女(人)」なので、`Worauf` ではなく `Auf wen`(前置詞 + 誰)の形をキープします
まとめ
1. 【 da / wo + 前置詞 】は、名詞の重複を避けて文をスッキリさせる表現。
2. 結合する形は、動詞がセットにしている前置詞によって決まる。
3. 母音から始まる前置詞のときだけ、間に r を挟む。
4. 対象が「人」のときは結合できない。通常の前置詞+代名詞(Auf wen / auf ihn)にする。
さらなるステップアップ!「場所」のショートカットもマスターしよう
ドイツ語にはこれとまったく同じ仕組み(da + 前置詞)を使って、
「その下に(drunter)」
「あっちの向こうに(drüben)」
といった【場所・位置】をスマートに言い換える技もあります!
ぜひこちらの記事もあわせて読んでみてください。日常会話の表現力がさらにグッと広がりますよ! [ドイツ語のdrunter・drübenの意味とは?英語の“there”で考える「場所の副詞」解説]


