前綴りのイメージ解説/分離?非分離?

ドイツ語文法

ドイツ語を話す・読む上で避けて通れないのが『前綴り』(まえつづり)の知識です。

「分離動詞と非分離動詞の見分けがつかない」
「文末に何を置けばいいか迷う」

という方のために、本記事では主要な前綴りの意味と活用ルールを一覧でまとめました。

この記事を読めば、辞書を引く回数がぐっと減り

動詞のコアイメージが掴めるようになるはずです。

前綴りとは?

動詞の頭につく「意味のスパイス」のようなもの

これだけで元の動詞が全く別の意味に進化します。

例1:基本動詞「fahren(行く)」

  • abfahren(分離)| 離れるイメージ = 出発する
  • mitfahren(分離)| 同伴イメージ = 同乗する
  • verfahren(非分離)| 過失イメージ = 道に迷う

例2:基本動詞「stehen(立っている)」

  • aufstehen(分離)| 上方イメージ = 起きる
  • verstehen(非分離)| 把握イメージ = 理解する
  • entstehen(非分離)| 出現イメージ = 発生する
  • bestehen(非分離)| 維持イメージ = 合格する・存続する

分離か、非分離か?(見分け方のコツ)

◾️アクセントの位置

  • 分離動詞: 前綴りにアクセントがある(例:aufstehen)
  • 非分離動詞: 前綴りにアクセントがない(例:besuchen)

◾️過去分詞で間に”ge”が挟まるかどうか

例
aufgestanden(分離)
verstanden(非分離)

また、非分離の前綴りは少ないので、そのまま覚えてしまうのがお勧めです。

次で説明します!

前綴りイメージ図鑑(実用リスト)

非分離

まず、非分離の前綴りの方が少ないので、暗記しましょう

ベエンプエンターゲフェアツェアミス!

魔法の呪文のようですね笑

ベエンプエンターゲフェアツェアミス!

以下、前綴り、単語例、前綴りのイメージ例です。

イメージは毎度完全に当てはまると言うわけではないですが、

覚えていると非常に効果的です。

be
emp
ent
er
ge
ver
zer
miss

bekommen
empfinden
entschließen
erklären
gefallen
verstehen
zerstören
missfallen

対象化・作用イメージ = 対象に働きかける、他動詞にする
受容・内面イメージ = 受け取る、感じる(主に知覚)
除去・分離イメージ = 取り除く、離れる、発生する
獲得・完成イメージ = 手に入れる、最後までやり遂げる
集合・完了イメージ = まとまり、結果として生じる
破壊・飛散イメージ = バラバラにする、粉砕する
否定・不当イメージ = 失敗する、誤ったことをする
変化・過失イメージ = 別の状態にする、やり損なう

分離

全てではないですが、代表的なものをまとめてあります。

ab
an
auf
aus
bei
durch*
ein
fest
her
hin
los
mit
nach
über*
unter*
um
vor
weg
weiter
zu
zurück
zusammen

ab|holen
an|fangen
auf|hören
aus|gehen
bei|bringen
durch|setzen
ein|ziehen
fest|halten
her|kommen
hin|fahren
los|lassen
mit|teilen
nach|sprechen
über|laufen
unter|gehen
um|schalten
vor|haben
weg|werfen
weiter|fahren
zu|lassen
zurück|lassen
zusammen|setzen

離脱イメージ = 離れていく、取り除く
接触イメージ = 接触する、開始する
上方・開放イメージ = 上へ、開く
外・完了イメージ = 中から外へ、最後まで
傍・付加イメージ = そばに、付け加える
貫通イメージ = 通り抜ける、ずっと
中・進入イメージ = 中へ、入り込む
固定イメージ = しっかり固める、決める
手前イメージ = こちら側へ(話し手の方へ)
向こうイメージ = あちら側へ(話し手から離れて)
出発・分離イメージ = スタートする、解き放つ
同伴イメージ = 一緒に、共にする
追従・後イメージ = 後を追う、模倣する
超過・上方イメージ = 越える、上を覆う
下方・潜入イメージ = 下へ、潜り込む
回転・周辺イメージ = 回る、作り変える
前方・提示イメージ = 前へ、見本を見せる
消失イメージ = どこかへ去る、取り去る
継続イメージ = 続ける、さらに先へ
閉鎖・方向イメージ = 閉める、〜の方へ
帰還イメージ = 戻る、返す
結合イメージ = 一緒に、まとめる

前綴りを変えると意味が変わる動詞の語幹に注目した覚え方もあります。

代表的なものは以下のようなものがあります。

分離動詞にも非分離動詞にもなる前綴り

分離、非分離どちらにもなる前綴りというのも存在しています。

以下のような前綴りです。

見分け方は、

実際に物が動く場合は分離、

イメージや概念上でのことなら非分離です。

文章の組み立て方

前綴りを覚えても、自在に使えなくては意味がありません。

語幹 stehen を使った、主要な6パターンのまとめです。

分離動詞:aufstehen(起きる)

  • 現在形: Ich stehe um 6 Uhr auf.
  • 助動詞: Ich muss um 6 Uhr aufstehen.
  • 命令形: Steh um 6 Uhr auf!
  • 完了形: Ich bin um 6 Uhr aufgestanden.(geを挟む)
  • 副文: …, weil ich um 6 Uhr aufstehe.(文末で合体)
  • zu不定詞: Es ist gesund, früh aufzustehen.(間にzuを挟む)

非分離動詞:verstehen(理解する)

  • 現在形: Ich verstehe dich.
  • 助動詞: Ich kann dich verstehen.
  • 命令形: Versteh mich bitte!
  • 完了形: Ich habe dich verstanden.(geなし)
  • 副文: …, weil ich dich verstehe.
  • zu不定詞: Es ist schwer, dich zu verstehen.(前にzuを置く)

ミニ練習

1. 分離動詞:ankommen(到着する)

  1. 現在形: Der Zug(  )pünktlich(  ).
  2. 助動詞: Wann soll der Gast(  )?
  3. 命令形:(  )bitte schnell(  )!
  4. 完了形: Er ist um 9 Uhr(  ).
  5. 副文: Ich warte, bis der Bus(  ).
  6. zu不定詞: Es ist wichtig, rechtzeitig(  ).

2. 非分離動詞:bekommen(受け取る・もらう)

  1. 現在形: Ich(  )viele E-Mails.
  2. 助動詞: Kann ich ein Glas Wasser(  )?
  3. 命令形:(  )bitte keine Panik!(※パニックにならないで)
  4. 完了形: Ich habe gestern ein Paket(  ).
  5. 副文: Ich freue mich, dass ich die Stelle(  ).
  6. zu不定詞: Es ist schwer, ein Visum(  ).

まとめ

ドイツ語の動詞は、前綴りという「スパイス」ひとつで、全く別の意味に生まれ変わります。

  • 単語力が爆上がりする
    ひとつの語幹(例:kommen)を覚えれば、前綴りを変えるだけで ankommen(到着)、bekommen(得る)、mitkommen(同行)と、一気にボキャブラリーが広がります。
  • ドイツ語特有の「リズム」が身につく
    「離れるか、離れないか」は、実はドイツ語らしいアクセントのリズムと直結しています。
  • ニュアンスの達人になれる
    前綴りのイメージ(aus-=外へ、ver-=変化・ミスなど)が掴めてくると、初めて見た単語でも「たぶんこういう意味かな?」と推測できるようになります。

「前綴りを制する者は、ドイツ語の動詞を制す!」
まずは、自分がよく使う基本の動詞に、どんな前綴りのバリエーションがあるか探すところから始めてみてくださいね。

その他文法の重要単元
werdenのさまざまな形と用法
比較級最上級
形容詞語尾変化
lassenのさまざまな形と用法