日本の大学の授業や、市販の参考書でドイツ語を学ぶとき、最初に出会う呪文といえば
デアデスデムデン…
「der・des・dem・den」
「1格(主格)」「2格(属格)」「3格(与格)」「4格(対格)」の順番です。
でも、ドイツ現地の語学学校や、世界基準の教科書(CEFR対応のもの)を開くと、全く違う順番で並んでいるのをご存知ですか?
世界標準は、
「1格 → 4格 → 3格→ 2格(der-den-dem-des)」 の順番なのです。
「えっ、どっちの順番で覚えればいいの?」と混乱してしまいますよね。
今回は、この2つの順番の違いと、それぞれのメリットについて詳しく解説します。
【比較】日本式(1234)vs 世界標準(1432)の格変化表
では、実際に2つの並び順で「定冠詞(der/die/das/die)」の変化表を並べて見てみましょう。
実は、変わるのは「格の順番」だけではありません。「性別の並び順」も世界規格に変わるのが面白いポイントです。

上の表は、日本の大学の授業や、市販の参考書で最もよく使われているお馴染みの並び順です。
デアデスデムデン、ディデアデアディ…と唱えた方(現在唱えている方も?!)いらっしゃいますよね!
下の表は、ドイツ本国の語学学校(ゲーテ・インスティトゥートなど)の教科書で採用されている、完全な世界規格の並び順です。
格が「1 →4→3→2」になり、さらに性別が「男・中・女・複」で並びます。
視覚的な特徴:同じ形が「上下」に隣り合う!美しい2つのボックス型 📦
- メリット①(1格と4格が上下にピタッ!):
「1格のすぐ下に4格」を配置したことで、中性・女性・複数形のエリア(das/die/die)で同じ形が上下に綺麗に並ぶことになります。日本式のように離れた場所を囲む必要がなく、視覚的に塊として一瞬で頭に入ってきます。 - メリット②(男性と中性も横にピタッ!):
さらに世界規格は性別も「男性・中性」の順に並ぶため、変化が全く同じになる2格(des / des)と3格(dem / dem)が横にピタッと並びます。
順番が変わった理由
歴史的に、ヨーロッパの言語研究はすべて「ラテン語」の文法体系をベースに作られました。
ラテン語の格の順番が「主格(1)・属格(2)・与格(3)・対格(4)…」という順だったため、ドイツ語の文法研究が始まった際も、そのままその順番が世界基準として採用されたのです。
明治時代に日本の学者たちがドイツ語を輸入した際も、
当時の世界標準だったこの「ラテン語由来の1・2・3・4」をそのまま日本に持ち込みました。
そのため、日本の大学や伝統的な文法書には、今でもこの歴史ある順番が残っています。
しかし、20世紀後半になり、世界中で「学問としての文法研究」から「外国語として実際に話すためのコミュニケーション教育(CEFRなど)」へとパラダイムシフトが起きました。
その際、
「実際の会話で2格なんて最初に出てこないし、変化も複雑すぎて初心者が挫折する。実際の会話でよく使う順(1格の次は4格)に並べ替えた方が、圧倒的に学習効率が良いのではないか?」
という実用的な観点から、ドイツ本国やヨーロッパの教科書が一斉に「1・4・3・2」へとシフトしたのです。
「なぜ日本ではいまだに1・2・3・4なの?」
このように大きなメリットがあるにも関わらず、日本ではどうしてまだ1、2、3、4格が主流なのでしょうか?
それは、日本のドイツ語教育が「歴史的な論文を読んだり、日本の試験(独検など)に合格したりすること」を重視して作られてきたからです。
過去問や辞書、参考書などの表記が統一されていないと学生がパニックになってしまいますよね。
一方で、ドイツ現地の学校では、「今日からすぐに街で話せるようになること」を重視しているので、1・4・3・2格が主流となっているのです。
どう使い分ける?今の授業に合わせつつ将来を見据えよう
結論から言うと、「今あなたが使っている教科書や、先生の方針に100%合わせる」のが一番スマートです。
先生が「der-des-dem-den」の日本式で授業を進めているのに、自分だけ世界基準の順番でやろうとしても、毎回の板書や説明についていけず、授業がとてもやりにくくなってしまいます。まずは目の前の単位やテストのために、今の環境の順番にしっかり従いましょう。
ただし、もしあなたがこの先に「留学」や「現地でのリアルな英会話(独会話)」を見据えているなら、少しずつ世界基準(1432順)の方法も独学で取り入れていくのがおすすめです。
現地でのドイツ語の授業は当然ながら文法用語そのものも大きな壁になります。
そのリアルな実態と解説はこちらの記事で詳しく書いています。
ドイツ語現地の授業「ラテン語由来の文法用語」が難しいワケと、重要文法用語30選
- 大学の授業や日本の試験のとき:先生の方針や日本式の順番に頭を切り替える
- 自分で作文を書く・会話の練習をするとき:1格(〜は)の次に4格(〜を)を思い浮かべる世界基準を意識してみる
このように「その時その時で賢く使い分ける」のが、ギャップに悩まされずにドイツ語を最短でマスターするコツです!
当ブログでは、日本式、世界基準、どちらの表も併記して説明していきますのでご安心を!



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