語彙や文法を磨くだけでなく、試験官が手元で見ている「公式の採点基準」を把握すること。
それが、Schreibenで確実に高得点を狙うための最短ルートです。
今回は、ゲーテB1公式の評価基準と配点ロジックを簡潔に解説します。
1. 3つのTeilの配点と「指定文字数」
Schreibenは制限時間60分、100点満点の構成です。
それぞれの配点と、公式に指定されている文字数は以下の通りです。
| セクション | タスク内容 | 指定文字数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| Teil 1 | 日常的なメールのやり取り(カジュアル・お詫び等) | 約80語(ca. 80 Wörter) | 40点満点 |
| Teil 2 | オンラインのフォーラムへの投稿(自分の意見) | 約80語(ca. 80 Wörter) | 40点満点 |
| Teil 3 | スクールや施設などへの連絡(フォーマル・依頼等) | 約40語(ca. 40 Wörter) | 20点満点 |
時間配分
制限時間は60分ですが、目安として以下のような時間配分を意識するのが公式データに基づいた賢い戦略になります。
- Teil 1(カジュアルメール): 約15分
- Teil 2(意見投稿): 約20分
- Teil 3(フォーマルメール): 約15分
- 見直し(スペル・語順チェック): 残り10分
配点と文字数が最も多いTeil 1と2をテンポよく終わらせ、定型表現の多いTeil 3も15分でサクッと書き切る。そして、最後に「10分間の見直し時間」を絶対に確保すること。焦って書いたときに出やすい初歩的な文法ミスをこの10分で修正するだけで、失点を大幅に防ぐことができます。
文字数
- 少なすぎる場合: 指定文字数(80語 / 40語)に対して明らかに少なすぎる場合、タスクを十分に達成していないとみなされ、減点対象になる可能性があります。
- 多すぎる場合(減点なし、ただしリスク増): 逆に、指定の文字数を多少オーバーする分には、文字数そのもので減点されることはありません。ただし、長く書けば書くほど文法やスペルのミスが増えるリスクが高まるため、指定文字数の前後(±10%程度)で簡潔にまとめるのが最も安全です。
2. 公式が定める「4つの評価基準(Kriterien)」
試験官があなたの書いたテキストを採点する際、主観で点数をつけることはありません。
ゲーテ公式の採点表(Kriterien)にある、以下の「4つの評価基準」がすべてです。
基準1:Aufgabenerfüllung(タスクの達成度)
問題文にはそれぞれ指示(Teil 1は3点、Teil 2〜3は状況設定)が含まれています。この指示に対して、「漏れなく、すべてに答えているか」をチェックする基準です。
また、相手との関係性やシチュエーションに合った適切な書き方(手紙の定型挨拶など)ができているかもここで評価されます。
- ポイント: どんなに綺麗なドイツ語で書いてあっても、指示を1つ書き忘れただけで、この基準の点数は容赦なく落とされます。逆に言えば、シンプルなドイツ語であっても、すべての指示に触れていれば、この基準はクリアできます。
基準2:Kohärenz(論理構成とつながり)
weil や obwohl などの接続詞、deshalb などの副詞を適切に使い、話の流れがぶつ切りにならず、スムーズで論理的な展開になっているかをチェックする基準です。単文をただ並べるのではなく、文章同士をうまく繋げることが高得点へのカギです。
基準3:Wortschatz(語彙力)
B1レベルにふさわしい、テーマに応じた適切な単語や表現を選んで話せているか、同じ単語ばかりを繰り返していないかをチェックする基準です。
基準4:Strukturen(文法構造)
副文の語順(動詞が文末にくるルール)や、枠構造、動詞の格支配、正しいスペリングや句読点(コンマ)の打ち方ができているかをチェックする基準です。
3. 試験官の採点ロジック:5つの評価ランク(A〜E)
試験官は、4つの基準に対して、あなたのテキストをそれぞれA・B・C・Dの4つのランクで評価します。
- A(優秀): 要件をすべて満たしている。(100%)
- B(良好): ほぼ満たしているが、一部不十分な点がある。(75%)
- C(十分): 半分ほどしか満たしていない、または誤りが目立つ。(50%)
- D(不十分): 内容が少なすぎる、または全く満たしていない。(25% )
- E(未達): テーマから完全に逸脱している、または白紙。(0%)
最終得点(100点満点)への算定方法
B1のSchreibenは、各Teil(1〜3)ごとにこの4つの基準で採点され、最終的に以下の点数配分で合算された合計点(100点満点)が成績表に載ります。60点以上を獲得すればモジュール合格となります。
【合格ラインへの戦略】
B1特有の新しいタスクである「Teil 2(掲示板への意見投稿)」は、自分の頭でゼロから論理を組み立てる必要があるため、多くの受験生が苦戦し、減点されやすいスポットです。
しかし、実は「Teil 1」と「Teil 3」は、すでにA2レベルの試験で徹底的に練習してきたメール作成の延長線上にあります。メールの構造や定番のお詫び・提案フレーズの型は、A2の知識がそのまま大いに活かせるのです。つまり、コントロールしやすく、対策が立てやすい Teil 1(40点)と Teil 3(20点)でミスなく「満点」近くを狙いに行く のが最もコスパの良い戦略です。ここでしっかり貯金を作っておけば、難関のTeil 2で多少文法が崩れても、トータルで余裕で合格ラインの60点を大きく超えていくことができます。
4. まとめ
採点基準を知っているかどうかで、本番の書きやすさは180度変わります。まずは「すべての指示(ポイント)を埋めること」を最優先に練習を重ねてみてください。
「基準はわかったけれど、具体的にどんなフレーズを使って書き始めればいいの?」という実践的なテクニックや、テーマ別の内容については、以下の解説記事でテンプレート付きで徹底解説しています。
評価基準を頭に入れた上でこれらのコツを実践すれば、手堅く高得点を狙えるようになります。本番前に必ずチェックして、強力な武器を手に入れてください。
👉 [[ゲーテB1・Schreibenのコツ(解説記事一覧はこちら)]]
次回は、いよいよ最後のモジュールである「Sprechen(話し方)の評価基準と配点」を解説します。お楽しみに!



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