基本の受動態(werden + 過去分詞)についてはなんとなくわかるけど…
「主語がない文はどう組み立てればいいのだろう」
「文末に単語が並びすぎて語順が分からなくなる」
こうした中級(B1〜B2レベル)の壁を乗り越えるために、今回は試験や長文読解で狙われやすい応用3点を簡潔に解説します。
「動作」と「状態」の受動態を見分ける
ドイツ語の受動態には、焦点が「動き」にあるのか「結果」にあるのかで、使う動詞が完全に分かれるルールがあります。
① 動作受動(werden + 過去分詞)
- 焦点: 今まさにそのアクションが行われている「プロセスの最中(動き)」です。
- 例文:
Die Tür wird geschlossen.
(ドアが[いま]閉められている。=動いている最中)
② 状態受動(sein + 過去分詞)
- 焦点: アクションはすでに終わっており、その結果生じた「現在の状態」です。
- 例文:
Die Tür ist geschlossen.
(ドアは閉まっている。=すでに閉め終わって、今閉まった状態である)
💡 動作受動・状態受動の例文
- 【動作】Das Geschäft wird um 20 Uhr geschlossen.
(その店は20時に閉められます。※20時に鍵を閉めるという「行為」が行われる) - 【過去の動作】 Das Geschäft wurde um 20 Uhr geschlossen.
(その店は20時に閉められました。) - 【状態】Das Geschäft ist sonntags geschlossen.
(その店は日曜日は閉店しています。※日曜日は終日、閉まった「状態」である) - 【過去の状態】Das Problem war bereits gelöst.
(その問題はすでに解決されていた。※過去のある時点で、すでに解決済みの状態だった。状態受動の過去形はseinをwarに変えます)
主語が消える?「自動詞」の受動態
helfen(〜を助ける / 3格支配)のような「4格(〜を)の目的語を取らない動詞(自動詞)」を受動態にするパターンです。
- ❌
Ich werde geholfen. - ⭕️ Mir wird geholfen.
なぜ Ich(1格)にならないのか
受動態の原則は「能動文の4格(〜を)を、主語(1格)」に変身させることです。しかし、helfen が取るのは3格(〜に)です。
ドイツ語では、「4格以外の名詞(3格など)は、受動態になっても主語(1格)に変身できず、そのままの格で据え置かれる」という規則があります。
そのため、Mir(3格)はそのままの形で残り、結果として「主語(1格)が存在しない文」が成立します。主語がないため、動詞は常に三人称単数扱いの wird に固定されます。
💡 文頭に現れる「Es」の役割
ドイツ語では「定動詞を2番目に置く」という絶対的なルールがあるため、文頭に置く語句が何もない場合には、形式的な主語としてEsを先頭に配置します。
- Es wird mir geholfen. (意味は
Mir wird geholfen.と完全に同一です)
💡 自動詞の受動態の例文
- Ihnen wird bald geantwortet.
(あなた方にまもなく返答がなされます。※antworten も3格支配の自動詞なので主語がありません) - Es wurde gestern auf der Party viel getanzt.
(昨日のパーティーではたくさん踊られた = みんな大いに踊った。※主語が完全に消え、Es から始まるパターンです) - Am Sonntag wird nicht gearbeitet.
(日曜日には労働は行われない = 日曜日は仕事は休みです)
中級の最難関「完了形 + 助動詞」の語順ルール
現在完了形と話法の助動詞(müssen など)がすべて合体した高度な語順です。
「その車は修理されなければならなかった」という文章を作る場合、以下のような構造になります。
- ⭕️ Das Auto hat repariert werden müssen.
語順のメカニズム
- 話法の助動詞を含む文を完了形にする際、文末に動詞の原形が2つ並ぶ(置換過去分詞)特殊な規則が適用されます。
- これに伴い、完了形を作るための助動詞には
seinではなくhaben(主語に合わせて変化)が選択されます。 - 文末は、受動態の原形(
repariert werden)の直後に、助動詞の原形(müssen)が配置されるため、【過去分詞 + werden + 助動詞原形】 という決まった並び順になります。
💡 完了形+助動詞の例文
- Die Rechnung hat sofort bezahlt werden müssen.
(その請求書はすぐに支払われなければならなかった。) - Der Termin hat nicht verschoben werden können.
(その予約は変更することができなかった。) - Diese Dokumente haben gedruckt werden sollen.
(これらの書類は印刷されることになっていた。)
まとめ:中級受動態を克服するための3つの要点
- 「動き」なら
werden、「見た目の状態」ならseinを選ぶ
プロセスの最中なのか、完了した後の結果なのかをイメージで捉え分けます。 - 3格支配の動詞は格を変えない
helfenなどを受動態にする際は主語を作らず、Mir wird geholfen.の形を維持します。 - 助動詞完了形との合体は文末のパターンを覚える
【過去分詞 + werden + 助動詞原形】という特有の並び順を確実に押さえましょう。
少し難解な部分もあったかもしれませんが、
構造のルールを論理的に整理できれば、中級の受動態も決して複雑なものではありません。まずは正確な形を一つずつ丁寧に組み立ててみてください。
たくさんアウトプットしているうちに慣れていきますよ😀
werdenの用法や形はさまざまです。一つ一つ分けて学んで混乱しないようにしましょう!
werdenの使い方をマスターしたい方はこちらで総復習できます。



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